地域おこし協力隊をひとまず終えて

2020年10月から始まった僕の地域おこし協力隊の生活は、2023年9月30日を持ちまして一旦終了しました。スタートした時は右も左もわからない状態で、一つ一つ勉強しながら試行錯誤を重ねて過ごした3年間。

気がついたら着任した時よりも行政の方達がどんな仕事の仕方をしているか?とか、地方の議会運営がどんな形で進んでいるか?とか、民間企業として活動しているだけでは知ることの出来ない仕事をたくさん知ることもできて、本当にいい勉強になったなぁと感じています。

地域おこし協力隊と民間企業の社長として、二つの仕事を遂行することに不安がなかった訳ではなくて、「大丈夫ですか?両立本当にできるの?」と聞かれて「やるつもりです」と答えることが精一杯。やったことないことに対して「100%大丈夫」とは言えるはずもなく、一つずつ前に進み信頼を勝ち取るしかないなと、ずっと思っていました。

色々大変でしたが、なんとか9月末を迎えることができて本当によかったです。実はやり残したことがあるのであと半年間協力隊を延長しますが、ここで一区切りということで、少しだけ纏めておきたいと思います。

あなたが来て地域が変わった、と言ってもらうことが目標でした

着任当時、3年間の目標を聞かれることが多くて、何も現状がわからない状態で気の利いたことを言うのも不安だったので、最初は「あなたが来て地域が変わった、と言ってもらうことが目標」と話していました。地域活動をしながら自分ができることは何か?どうやったら受け入れてもらえるか?を自問自答しながら、できることはなんでもやってみようと思っていました。

3年経った今、結果はどうだったかなと振り返る必要があるなと思い、少しブログに纏めておこうと思いました。この記事がこれから地域おこし協力隊になりたいと思う人たちにとってプラスになればいいなとも思っています。

小学校、中学校、高校と、教育現場に関わって学んだこと

名古屋にいる時には全く関わってこなかった学校という教育現場。
ある意味「異業種」というか全く良くわかっていなかった現場で、一緒に企画に関わったり授業に参加したり、講演会をしたりする中で意識していたことは「楽しそうだなと思ってもらえる大人の姿」をどう見せるか、ということでした。大人になるのってきっと楽しい!と思ってもらえるような振る舞いってどんな感じかな?とかいつも考えながら行動していました。

そして相談を受けたらとことん関わっていこうと思い、できるだけ声をかけてもらったら一緒に考えて悩んでいこうと思って行動していました。

結果的に、僕たちが教えるということよりも教わることの方が多くて、学校や生徒を通じて地域に関わりを持てたり、僕自身が新しいことにチャレンジするきっかけになったりと、とても有意義な時間でした。

たくさんの大人に見守られて僕たちは育って来た中で、今度は僕たちが子供達の未来の道筋をつける番。僕たちがどんな関わり方をして彼らの未来を守っていくのか。僕自身はその中でどう貢献していけるのかを考えるきっかけになりました。これからも出来ること、関わり方を考えて行動していきたいと思っています。

地域の方たちから学んだこと

何かあれば、みんな手弁当で出て来て助け合うこと。

名古屋に住んでいる頃はそんな活動を全くしていませんでした。松阪に移住してからたくさんの方達と出会い、出会った人たちの活動を通じて「地域に関わる意味」をたくさん教えてもらいました。都会の暮らしでは「損か得か」とか「儲かるか儲からないか」だけで付き合いを決めたり、気の合う仲間だけで集まっていれば良い。という感覚が割と当たり前だった気がするけど、そんなのを取っ払ってみんな仲良くすることが、こんなに心地よいのかと何度思ったか。

利害関係でない人間関係って本当に素敵だなと、心から思えるようになったのも松阪に移住してから。色々な考え方でみんな素敵に暮らしている姿を見て、僕もそんな暮らし方を実践したいと思うようになりました。

社会と関わり生きていく楽しさと、大切さを学んだ気がしています。

今までの人間関係のありがたさも再認識しました

いろんな人が名古屋から松阪に来てくれたり、遠くは東京からも人が来てくれたり。今まではなんとなく孤独感を感じたりすることが多かったけど、わざわざ来てくれるのが本当に嬉しかったです!
コロナ禍もひと段落して、これからもっとたくさんの方と再会したり、一緒に遊んだり、逆に僕たちが遊びに行ったりと、もっとたくさんの人たちと関わりを持って、楽しい時間を増やしたいと思えるようになりました。

松阪に移住したことがきっかけで出会った人たちの温かさ

移住してから友達が居ない、とよく言っていたのですが写真を見ていたらそんなこと全然ないなぁと思いました。たくさんの方達に出会い、たくさんの時間を共にして来たんだなぁとしみじみ。3年間はあっという間でしたが、これからもこんな楽しい生活を続けていけると思うとワクワクします。

そして奥松阪というお店を作ったこと

本当は20年後くらいにお店をやろうかなと思っていたけど、いい場所があってやれそうなタイミングな気もしたのでチャレンジしました。良く立ち上げの資金のことも聞かれるので、ここに記しておこうと思います。

実は移住して「地域おこし協力隊」をやり始めたタイミングで「地域おこしで得たお金を地域に投資しよう」と決めていました。僕自身は自分で仕事をしているので協力隊自体を生業として考えておらず、街の人たちと仲良くするきっかけづくりと捉えていました。

ダブルワークは大変だけど、なんとか実現してまちづくりで得たお金を街に投資することで新しいチャレンジをしたいと考えていました。そうして完成したのが奥松阪。協力隊の間に飲食店も立ち上がり、稼働できたのは本当によかったなぁと感じています。

地域にパブリックとプライベートの中間地点が必要だと考えて「カフェ」のような拠点はやっぱり必要だと思っていましたが、いざ作るとなると資金計画や人財の募集、プランを練りながら確実にオンタイムで実行していくことがどれだけ大変かというのを身に染みて感じました。

実際に営業を始めると、起きてから寝るまでずっと働く生活になり、充実はしているけどとても負担も大きくなりました。今は正直大変だけど、地域のパートさんや高校生に支えられて、8人も在籍するチーム体制になりました。みんなでワイワイ仕事をするのも楽しいなぁと思う毎日です。

ここに記してある以外にも本当にたくさんの仕事に関わらせてもらい、地域に関わるきっかけをたくさん頂きました。これからはもう一歩踏み込んだ地域活動をしていきたいと思い、新たなプランも進行中。

ひとまずは少しだけペースダウンして、新年早々に社員旅行を計画中。行き先は台湾。旅行を楽しみにもう少し年内は頑張ろうと思います。

この3年間はとても充実した毎日でした。関わって下さったみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。ここで一区切りですが、これからもどうぞよろしくお願い致します!

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