地方で生業を作り、未来に投資することの難しさ
ちょうど数年前の7月、休みもせずに仕事をやり続けて行き詰まり、誰も知り合いがいない場所にいきたいと思って、鳥取に出かけました。当時、関西方面では集中豪雨の被害が中山間の到る所で発生していて、地域の方々が泥を片付けたり、工事で道路を直していたり、一歩間違えば死者が出るくらいの土砂崩れの現場を通ったり、息抜きをしたいと思って出かけたのに考え込んでしまった記憶があります。
週末の鳥取の街は、飲み屋に出かける色々な年代の方達で溢れて僕もゆっくりとできそうな雰囲気の良い気軽に入れるバーに1人で入り、店員さんに鳥取の話を色々聞いていました。当時はインバウンドのゲストもいたり、店内にはとてもいい雰囲気が流れていて、色々と鳥取について語ってくれた内容は正直全部が覚えていないけど、またあの店に戻りたいなと思うことはよくあります。
素敵な街に必要なものは、みんなで集う場所といつもそこにあるソウルフード
どの街に出かけても「あそこで食べたあれが美味しかったね」とか、食べたものってとてもよく覚えています。3年前に訪れたオクラホマのロートンで食べたインディアンタコスはやっぱりまたロートンに行ったときに食べたいし、この写真に映っているロートンにあるミヤーズというお店のサービススタッフの人は、以前京都に留学していたことがあるらしくて、すごく日本について親しみを持ってくれていました。
周りに何もなくても、一軒のカフェがあればみんなが集まってきて何気ない食事を当たり前のように楽しんでいたあの光景が目に焼き付いていて、やっぱり集う場所はコミュニティを作るためにはとても大切なものだなと感じています。
地方で生業を作り、未来に投資することは決して簡単ではない
地域おこしというのは、どんなことなんだろうかと考えることがよくあるのですが、1人でできることで分かりやすく状況が変化することなんてなかなかないので、続けていくには相当な忍耐力と継続力が必要だと思います。
元々社会活動は僕の勝手なイメージでは「自己承認欲求が高い意識が高い人がやるもの」という感覚がありました。でも最近はピュアにそういう活動をしたいと思う人も増えてきた気がするなと感じています。世の中になんとなく不安を感じて、何かアクションを起こさないと生きていけない事を肌感覚で分かっている世代が出てきているのはとても嬉しいことで、いよいよ社会の流れも大きく変わってくる気がしています
ただ、想いを形にしていくためには、お金や人的リソースを世の中に投資していく必要があるけど、やっぱり地方で生業を作り、未来に投資するお金や時間を作ることってとても大変です。今自分自身でやっている食堂の立ち上げ作業も、多額の投資と大量の許可申請、さらには融資の手続きなど、非常に大きな負担になっています。
ただ、この大変な時間を乗り越えれられれば街に新しい流れができるし、その景色も見てみたいと思うのでなんとかやり切れられたらと思っています。古民家の改修工事も始まりました。10月末には全ての工事が完了して、11月からは新しいスタッフが入社して本格的な準備がスタートする予定になっています。組織外で一緒に仕事をする人は今までもたくさんいましたが、社内に社員が入ってくるのは初めてのこと。創業から11年目にまた新しい取り組みができる事、とても嬉しく思っています。
美味しい食事と集える空間で、どんな新しいことが生まれるのかとても楽しみです。集めてきた器や想いを表に出すタイミングがやっと来ました。気負わず着実に育てていきたいと思っています。
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