自らが選択しなくてすむ気楽さ
去年の冬から三重県松阪市に拠点を移し、今年は初めて松阪市での春を迎えています。
コロナ禍でのゴールデンウィークで他県視察なども控えたため、比較的ゆっくりとした連休となりました。連休中には草刈りをやったり、畑に野菜を植えたり、まだまだ納得出来ていなかった家の片付けをしたりと、「やってもやらなくても過ぎていくけど、やった方がいいこと」に時間を使いました。
田舎暮らしは自らが選択しなくてすむ気楽さがある
この頃ずっと、野菜づくりとか、コメ作りのどこまでを自分で行うのがいいのか?ということをずっと考えていたのですが、都会に住んでいた時に、散々効率化を図り時間を作りながら、スポーツジムでランニングマシンで走っていることを思い出し、なんだか生産性がないことをしていたなぁと思ってしまいました。
食べるためだけを考えてしまうと、慣れていないアナログな米作りをするよりも、買ってきた方がもちろん安い。でも手植えの米作りを楽しむためにやりたいと考えるようになると、草刈りはエクササイズになり、種まきはコミュニケーションになり、秋になるとみんなで収穫して食卓を囲み未来の話ができる。
都会暮らしをしていた時は、合理化して余った時間を「自分らしくどうやって使うか」を「自分」で考えないといけなかったのですが、田舎に来てみると畑の草は勝手に伸びるので刈らなければいけないですし、待ってくれない自然のサイクルの中では「自分で選択しなければならない」ことが減り、頭の中が少しラクになりました。
選択権があるという事は、常にジャッジしていかなければならないということ。そこに少し疲れていたのかなぁと山奥に来て初めて気がつきました。
稲の種を熱湯で消毒したり、塩水の浮力で種の選別をしたり、教えてもらいながらの米作りはとても楽くて、作業をしている間は時計を見るのを忘れてしまうくらい。それにしても米作りは非常にクリエイティブで、昔の人の知恵は本当にすごいなぁと感心しっぱなしです。
さて、土をいじったりすることにだんだんと慣れてきました。植物が成長するタイミングとか虫が湧くタイミングとか、カエルが鳴くタイミングとか、気付きがたくさんあって楽しいです。今年はホタルをフラッと見に行きたいなぁと思っています。近くの珍布峠の方で見れるみたいで、とても楽しみです。
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