結局、僕たちはまだまだ何も出来ていない
今年も5月の中旬に茶摘みを行い、無事に製茶することができました。
今年はtable forから鈴木さんや香川さんが応援に来てくれて、とても心強くてありがたかった。そして本年はきちんとしたオンラインショップを立ち上げてお茶の販売をスタート。5月はお茶のプロジェクトのことを考える時間が多かった気がします。
これから先を見越したプラットフォームなるように、通常の業務を行いながら、未来に向けて色々なことを準備しています。例えばお茶と一緒に骨董の茶器を販売したりしたいので、古物商の許可の準備をしていたり、茶器を作ってくれる作家さんをなんとなく探し始めたり。販売のインフラが整いつつあるので、商品を少しずつ増やしていく準備をしたりしています。
今年のお茶が仕上がってきた時に、去年の保管していたお茶と飲み比べたりしたのですが全然味が違っていてびっくりしました。去年より今年の方がワイルドな味がするというか、おそらく暖冬の割に葉の育つスピードが遅かったこともあって、甘みが去年よりも少し少ない。肥料などを入れない栽培方法を採用しているので、天候や収穫のタイミングで味がダイレクトに変化する。最初は去年の方が美味しかったなぁと少し思ったのですが、だんだん飲んでいくとそれも味の個性だと気が付き、食後にさっぱりしたい時には丁度いいかなと思うようになりました。
要するに、自然で育つ植物の味なんて僕たちでは厳密にコントロールすることは出来ないし、僕たちは均一化した味をそもそも求めていないのだから、出来た味について「どんな飲み方をすればより楽しめるか」を提案していくのも仕事なんだと気が付きました。
レストランなどの「食べさせる」という仕事において、「国産牛肉を使用した…」など、「食材の良さ」をPRすることは普通の事ですが、僕は食材を作っている人の気持ちとか、調理やサービスをしている人の想いとか、それをうまく伝えるための空間や音、匂いとか全部大切だと思っている。
それをトータル的にうまくまとめて想いを伝えられるチームが「共感してもらえるチーム」だし、これからもっと支持してもらえるためにはやるべきことがたくさんあるし、壁が高いなぁと感じています。そんなことを考えながらも、なんでも最初からできる訳ではないので、僕たちは長いスパンで意味のあると思えることに時間やお金を投資していきたいと考えています。
ふとしたきっかけから始めたデザインや撮影の仕事も、始めてから15年も経つと少しは色々とできるようになり、今では見たことや聞いたことのある企業さんたちとプロジェクトを進めたりもしている。僕はインターネット検索とかを使い独学でデザインの勉強をしてきたので、師匠と呼べる人は存在していないけど、世の中全てから学びがあると思っているし、自分以外は全て先生だと思っている。
農業という分野においても、今は正直わからないことや疑問に思うことがやればやるほど出てくるけど、一つ一つ納得して解決して、15年かけて積み上げてきた今の仕事のように、気がついたら少しは前に進んでいたと思えるように、しつこく続けていこうと思っています。
今日は最後に僕たちが作るお茶のコンセプトを少し書いて、終わろうと思います。
より良い人生を生きるために、私たちはお茶を育てる
私たちは限界集落で見放された茶畑を再生し、個性ある無肥料無農薬のお茶を作っています。
身近にある大地の力を感じることができる野草や、無農薬無肥料の自然栽培で育てたお茶を作り、世の中に届けたい。その土地でしか出せない個性ある味を「楽しい」と思ってもらいたいと考えています。
多様性という言葉を放てば放つほど、多様性という括りに縛られる息苦しい世の中で、私たちの作るお茶は、もっと自由に楽しく、個性を認めあえる存在になりたい。そしてこの活動を通じて、集落内で新たな仕事を作り、その仕事を通じて、社会との接点や生きる楽しみを創造したいと願っています。
We grow tea to live a better life
We regenerate tea plantations that have been abandoned in marginalized villages, and make tea with no fertilizers and pesticides.
We make organic tea using natural farming methods, using the wild grasses and the power of the earth around us. we would like to deliver it to the world. we Hope that people enjoy “the unique, natural, organic taste”.
In a stuffy, ever changing, fast paced world with all its diverse choices we need to take time to enjoy the more natural, wholesome things in life. We hope that with our tea you take just a moment for self-reflection and your connections to others.
Through our efforts, we hope to bring new jobs and opportunities to these marginalized villages and raise the standard of living.
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