Food design / フードデザインという新たな可能性
最近、ウェディングケータリングの問い合わせがとても増えている。
元々可能性を感じて、辞めずに頑張って続けていこうと決めたことだけど、やっとここに来て思っていることを形にすることが出来始めている実感があって本当にうれしい。
ただデザイン事務所として、フードの何をやっているのかが分かりにくいと思うので、少しここで説明しておけたらと思い、この記事を書いています。
ウェディングケータリング=食事を提供する仕事。ではなくなった
僕の経験則でのお話ですが、
例えばレストランなどがケータリングに参入する場合、料理を作りオーバルやチェーフィングディッシュに盛り込むことが仕事と捉えられる。これについては全く間違っていないのですが、残念ですが、これだけですと「ただ料理を持って来てくれた」ということになってしまう。
レストランは料理を楽しむ場所ですが、ウェディングのケータリングなどはウェディングの一部として料理があり演出がある。だから綿密な擦り合わせなども発生して、全体を俯瞰しながらフードチームは何をやるべきなのかを自ら考えて提案していく必要がある。
求められているのは、全体としてウェディングを成功させること。
だから料理店がお店を抜けられなかったり、打ち合わせに参加することが難しかったりするだけで、他の役割を担っている方たちに迷惑がかかることがたくさんあって、足を引っ張ってしまう場面に今まで何度も遭遇した。
提案・ブラッシュアップ・そして料理
ウェディングのテーマや実現したいことをきちんと把握して、それにあったプランを「きちんとわかる形で提案する」ことが求められるようになった。だから資料もキチンと分かりやすい形で作成して、みんなにコンセンサスを得られる方法で提案しなければならない。
また、テーブルレイアウト的にどうしてもフルコースを出すことが難しかったら、ブッフェも作るけどメインと前菜だけはきちんとサービスをしてみたらどうか等、こちらからきちんとご提案できるか。
できることだけをご提案するだけでなくて、例え当日の作業が増えるとしても、ウェディングにとって一番の答えだと思えるプランをご提案できるか。
コストがかかることでも投資と考えてこちらから提案することができるか。
ゴールを見据えて自分たちの予算も考えて、合理的かつ、メリットの高いプランニングをきちんと考えられるかも重要になってくる。
予算があればできるのに、では何も出来ない
僕が普段のデザインの仕事で心がけていること。
予算があればできると言わずに、決められた中でも本当のベストを尽くせたかを意識している。100万円あったらできることが80万円で実現できたなら、その20万円でまた新しくできることを増やしてサービスを向上させたい。
だからお客さんが喜んでくれるような設備投資は惜しまず、何か僕たちが提供できるものがあって、それで全体がよくなるとするなら、喜んで提供することを心がけている。
食べてもらい、満足してもらい、余韻を残す仕事
素晴らしい料理が目の前にあっても…
・場にそぐわない音楽が流れてしまいそうなら音までデザインしよう。
・照明のせいで美味しく見えなくなってしまうならライティングをしよう。
・料理を盛り込む器やカトラリーも全部、きちんと考えよう。
料理を美味しいっていってもらいたいなら、料理の周りにある「音、魅せ方、匂い、灯り、コミュニケーション」など「美味しいに繋がる要素」もきちんとデザインすること。
それがフードデザインの仕事で、僕がやっている仕事。
過去に「デザイン事務所がただレストランに調理を丸投げしている」という感じのニュアンスで言われたこと。きちんと仕事の内容を伝えきれていない事は反省しないとダメだと、その時に感じた。
でもその時にこのフードデザインという仕事の新規性を感じたし、今はそこに気がついているかどうかが、何を任せてもらえるかの分かれ道だとも感じている。
僕たちはやっぱり「美味しい」に通じる全てのことに関わりたいし、それを追求していきたいと考えている。
だからこのチームでもっともっと頑張りたいなと思っている。
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