儲かるか儲からないかより、美味しいかどうかを優先する


昨日発売になった、宣伝会議「100万社のマーケティング」に高杉アトリエを紹介していただけました。
いつも一緒に仕事を進めてくださっているヤマタケの稲垣社長と、僕のコメントが掲載されているのですが、稲垣社長が「高杉さんは儲かるか儲からないかより、美味しいかどうかを優先する」とコメントをくださり、それが僕の中で最近の中で一番嬉しかった出来事だなぁと感じました。
 
デザインという業界は、なんとなく自分たちの仕事が他と比べて「優れている」と思っている空気感がある。
プライドがあるのは大事だけど、僕は仕事内容に優劣はないと思っていて、前にケータリングで雑用でもいいから手伝わせて欲しいと言った人に「うちの仕事に雑用なんてない」と断ったこともあります。
 
実はデザインだけでなんとかできることなんて、ほんの少し。
商品の美味しさを追求する人、その追求した良さを伝える人、事務方の人、商品をパック詰めする人、みんながそれぞれ努力をして協力することで「美味しい」は作り上げられる。そうして作った商品はきっと色々な人の手に届く魅力的なものになるんだろうと思う。
 
現実的な話、色々思いついても予算との兼ね合いがあったり、長期的に見て予算をかけるべきなのかとか、ここは赤字でも次でペイできるからいいかとか、経営者は全部ひっくるめて考える必要があります。
そうして色々と検討するときに一番やってはいけないことは、スポットの原価から逆算して単価を決めてしまうこと。数量が少ないから、ロットが少ないから、売れるようになったら安くするからとか、僕ら側の都合をお客さんに押し付けてしまうと、そういうのは必ず伝わる。だから、お客さんが喜んで手に取ってもらえるようにするにはどうするのかは、まず僕らが最初にリスクテイクをするところから始まると思う。
 
儲かるか儲からないかより、美味しいかどうかを優先するという話はものづくりではとても大切なこと。
やらないといけないことは永遠にあるけど、それを続けているからこれから先の道が出来ていく。
 
喜んでもらった結果が報酬なのだから、これからもグラフィックだけにこだわらず「喜んでもらうにはどうしたら良いか」を真剣にデザインしていけたらいいなぁと思います。

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