うまく行かなかったら失敗かどうか
3年前には片付けをしていた古民家を解体して新築する方向で考えている。
当初の予定では食品加工所にして「玄米棒」を量産して、出荷していこうと考えていた。保健所の営業許可なども取得して生産を始めたが、なかなか一緒にやろうとしていたパートナーとの意思疎通が難しく、卸していくためのクオリティーにまで持っていけず、そのまま活動を終了した。
協業するということは利益をシェアしていくことにもなるが、ワンマンプレーに慣れた人には、スタートアップで利益をシェアすることも抵抗があったようで、利益の配分などもきちんと決めることができなかった。
全員とはもちろん言わないが、クロヨンやトーゴーサンピンという言葉があるように、私たちの様な法人企業が現金主義で納税の意識が薄い人たちと協業することも大変なことなんだと実感した。
ブログで公開しているからというのもあるが、ところどころで三重県の事について聞かれる。僕は正直にうまく行っていない部分などを話すので、「いつもトラブルに巻き込まれているよね」とか言われたりする。でも、このトラブルやうまく行っていないこと=失敗という発想では学べないことがたくさんある。
25歳の時に先輩に誘われてスタートした飲食店も一年間ノーギャラで朝から朝まで働いていたが、あれは失敗だったのかというと、僕の考え方が大きく変わったきっかけだったし、本当の意味のスキルが身についた濃厚な一年だったと思っている。
新しい仕事というのは、今までニーズがあったけど実現出来ていない事とか、ニーズに気がついていない事とかを見つけて実行することで初めて生まれる。だから基本的には前例がないのが当たり前。2年くらい前からケータリングが増えたのも「公園で着席で料理を食べたいけど、そんなの無理だしなぁ」というニーズを掘り起こした事から始まっているし、そういう部分に目を背けず進んで行けるかがとても大事。
新しい事には投資も必要だし精神的にも負担が大きい。でもその責任を負って前に進むことで見える景色があって、僕はそういうことをやりたいと思っている。
一つのことで失敗、成功と決めつけず、失敗したなら改善してより良くしていく。これはデザインの現場でも同じで、変な駆け引きをすることなく、対等な立場で継続して共に作っているパートナーを作っていくことが大事で、僕たちも企業にとってそんなパートナーになれる努力をこれからもしていきたいと思っている。
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