お金で買えないものに手が届きそう

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最近休日になるとずっと、三重県に行っています。
古民家の片付けも始まり、思ったよりも進んでいる気がしますが、なかなか先は長く、そうそう簡単に終わるようなものでは無いなぁと感じています。
 
食品加工場を作る事なんて、去年の今頃は考えても無かった。でも漠然とそういう事をしたいとも思っていました。
遠目から見ると無駄な事をしているプロジェクトに見えるかも知れません。限界集落で農産加工品を作って村に人が戻ってきて欲しい。そんなゴールが遠いプロジェクトだけど、本当はゴールは違う場所にあるかも知れないし、村にとって良い事なのか、どうなのかは結果が出ないと分かりません。
 
正直結果がどうなるかまで今はまだ考えられないけど、これをやり始めて良かったと思うことがあります。それは応援してくれる人たちが現れたこと。
話を聞いてくれる人、アドバイスをくれる人、興味を持ってくれる人、手伝いに来てくれる人。僕にとって、そういう気持ちを届けてくれる人たちはとても大切な人たち。これから迷った時にきっとその人たちの顔を思い浮かべ、どうしたら良いかをきちんと判断出来る気がする。
 
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僕は元々、人にお願いごとをするのが苦手です。理由は相手の気持ちを考え過ぎてあまり負担をかけたくないと思うからです。でも今回、手伝いに来てくれた人たちと話していて、こういうのいいなぁと思いました。正直ちょっとは甘えてみようかなと思いました。どんな形で恩返し出来るかまだ自信が無いけど、色々な形で応援してくれた人たちに応えていきたいなと、改めて思っています。
 
古民家を片付けていたその前の日は、ブルースデザインの小林さんに誘われて「Tomoni Project」に参加していました。メーカーが集まって一つの事(プロダクト)を考えていくこのプロジェクトで、僕は写真やウェブや動画を触れるスタッフとして、広報的な役割を担当しています。
 
千葉からガラス職人さんが約17人ほど。その職人さんと一緒に瑞浪の陶器メーカーさんの会社を見学しました。
夜はみんなで食事会だったのですが、僕はなんだか会社の慰安旅行に来ている気分でした。2次会は瑞浪駅の近くのローカルなバーへ行ってまたみんなとお話。本当に楽しかった。そしてすごく酔っぱらった。
 
損得なく、大人たちが一つの事に取り組む事って悪い事じゃない。
「Tomoni Project」は小林さんが若い時に飛び込みで陶器メーカーに出向き、想いを語り、デザインを提案した事がきっかけで始まったプロジェクト。何処の誰だかも分からない若者の話を、業界大手のメーカーは真剣に聞き、カタチにして、商品として世にだした。普通だったら考えられないことだと思う。
 
その商品は身体に不自由がある人でも、無い人でも同じ食器を使えるようにと考えられた「心のこもった」器やグラス。今でも廃盤にならず売り続けられていることで「恩返しが出来た」とちょっと泣きそうになって話していた小林さんを見て、ほんとに良い話だなと思った。
 
なんでもお金に換算すると面白くないなと、やっと最近心から思えるようになった。
たぶんそれは僕の古民家のプロジェクトとか、「Tomoni Project」に参加するようになって確信したんだと思う。
生きる事は稼ぐことじゃないと思う。本当に大切な物がなにか分かれば、人生って楽しくなるんだと思える。そんなお金で買えないものに手が届きそうになってきている環境に、感謝しないとなと思う。

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