美味しい革命を読んで
アリス・ウォータースの美味しい革命。しばらく読んでいましたが、やっと読み終わりました。
バークレーにあるシェパニースのオーナーのアリス・ウォータースが今まで歩んで来た人生がまとめられている一冊。食で社会を変えるという考え方にすごく共感して、最近では雑誌でもたくさんシェパニースの事は取り上げられるから、きっと知っている人も増えたと思う。
でもなんで世の中ではこの「美味しい革命」にも書かれている「持続可能な社会をつくること」がテーマにあがるのかと考えると、みんなが何となく今の生活に行き詰まりを感じていたり、実はこれからの課題がみんなの心の中で明確になり始めたりしているのかなと思ったり。最近はそういうことにとても興味が出てきました。
唐突ですが、料理でも写真でもデザインでもなんでもそうだけど、 僕が今まで出会った尊敬しているアーティスト(モノ作りしている人を敢えてそう呼びます)の方達は、みんなアウトプットに対するテーマが明確にあって、それは社会の問題や課題に対するテーマを持っている人がすごく多かったです。
ひょっとしたら僕がそういう人に惹かれているからそうなのかも知れないけど、前に一緒に仕事をさせて頂いた「フランス政府著作権画家」の肩書きを持つアーティストの方が、打合せの時に「フランスでは芸大を卒業して画家になると墓場行き」とみんなに言われると教えてくださいました。
どういう事かというと、画家はやっぱりアウトプットに対しての目的が明確に無いと、絵なんてかけないということでした。デザインも一緒だと思うのですが、僕もDTPをやり始めた時は、イラストレーターが使えるようになって、macの前で仕事をしている自分が何となく誇らしく思えた時期がありました。その時、僕的には綺麗なレイアウトを目指していたけど、その先の目的にまで目を向けられていなかったなと、今振り返れば思います。結局そうやって出来たものって、もちろんそんなによくないデザインです。
作っている人自身が何の為のモノ作りなのかや、想いみたいなものを明確に話せないと、それはデザインしているとは言えない。色々なモノ作りをしている人がいるけど、やっぱり僕は自分を満たす為のデザインでなく、社会を満たす為のデザインであり、立ち位置で居たいなといつも思っています。
こうやって色々考えていても、結局人に伝える事って、言葉だけでなく行動で示さないとだめだなと。
アリス・ウォータースがずっと続けている、美味しいから始まる革命ってとても素晴らしい事だと思う。
僕も今やっている色々なプロジェクトを続けて、そういう想いを伝えられる様になったらいいなと思います。
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