地域活動の原点だと思える小学校2年生の遠足の話

僕は小学校1年生の終わりまで青森県弘前市の小学校で過ごし、2年生になるタイミングで愛知県西加茂郡三好町(現みよし市)に転校しました。三好町にいたのは1学期の数ヶ月の間だけでしたが、その1学期の期間がとても印象的でよく覚えています。

弘前市では学校給食が確か水・金だけごはん持参でおかずだけが給食で出る形でした。振り返るとなんでなんだろうか?と思うのですが、転校してくると学校給食は弘前市よりも三好町の方が進んでいた気がします。栄養バランスや内容がずいぶん良かったのと、焼魚なんかが一匹まるまる出てきて、小学2年生は自分で魚を食べないといけなくてみんなが苦戦しながら食べていた記憶があります。多分あれは食育の一環だったんだろうと思います。

田舎の学校から都会に引っ越しすると、学習レベルというのが全然違っていてプールではみんな泳げるし、ハーモニカを吹いていて、弘前ではそんなこと一度もやったことがなかったので、みんなに追いつくのにとても苦労しました。プールで自分だけ泳げないのでそれが嫌でずる休みをしていました。(夏休みの特別特訓に参加させられて泳げるようにはなりました。)

養護施設の同世代の生徒と一緒に行く遠足から学んだ色々な立場

三好町で通っていた学校は課外授業もあって、田植え体験とか、なかでも遠足は養護施設に通う同世代の生徒たちと一緒に行ったことをよく覚えています。手を繋いで先導しながら公園を探索していたのですが、自分と同じ年代で過ごし方が違う友達と接することで「自分がしっかりしなきゃ」と感じたことはずっと覚えています。

僕たちは普段、自分の周りにある環境だけで世の中のことを判断してしまうことが多いと思います。でも世代や立場が違う人たちと触れ合うことで、自分の知らない広い世の中について想像するきっかけになるし、行動するきっかけになります。地域の仕事で社会福祉の現場に足を運んだり、世代の違う高齢者の方々と触れ合う機会は自分自身のこれからの生き方を考えるための貴重な時間。

独立して10年間、名古屋で事業をしていた時は、正直その気持ちを忘れていて自分の目先の事ばかりを考えていた気がします。地方に移住して少子高齢化の課題を目の当たりにして、今自分がやっておいた方がいいことはなんだろうか?と自問自答する時間がとても増えました。

お金で買えない価値に気がついているかどうか

地域の人たちが集まって行う「サロン活動」や住民自治協議会の活動の必要性とか、町内会費をどう使うやこれからこのままだと財政的に厳しい話とか、お寺の維持も大変になってくる話とか、それをどうにかするために地域の方々が色々と活動されていることとか。そんなこと移住するまで考えたことがありませんでした。

一般的に面倒な事と言われる「地域活動」に関わることのない社会で生きていたので、移住してきた今では考えていることもガラッと変わってしまいました。世間のイメージでは「地域活動」はどうしても面倒というイメージがついて回りますが、「自分が健康でなんでも1人でできる」を前提に考えたら確かに煩わしいと思うのかもしれませんが、人はずっと健康でいられるわけではありません。生活しやすい環境を作るためには自分の時間を少しだけ自分の外側に向けて使うことで「困った時はお互い様」という気持ちが生まれ、最終的に安心につながると信じています。

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