自分のためのデザインは、誰かのためにやるデザインより難しい
僕たちのような基本的に人に頼まれてアドバイスしたりデザインする仕事は、なんだか先生みたいな感じで扱ってもらえることが多い。でも何か見えないものが見えているかのように振舞っているデザイナーやクリエイターを見て、僕はいつも違和感を感じていた。というか今も感じています。
当たり前だけど、未来について断言できる人はこの世の中にはいない。実際にいるのは決断する人と責任を負う人。
次に仕事が来るかどうかは別として、僕たちデザイン業は受託した案件に対して責任を感じることはあっても、責任を負うことはない。でも僕はいつもお客さんと二人三脚で歩調を揃えて仕事がしたいし、苦しみや楽しみを共有したいと思っている。そのためには自分も実際に自分で物を作って、販売することで感じたものをまたお客さんにフィードバックしたいと思って色々なセルフプロジェクトを実行しています。
僕は三重県の限界集落でお茶を作って、もっと販売したいと思っていて、少しずつやれることを毎日積み上げています。
サイトを作ったり、古民家の修繕のプランを考えたり、銀行に問い合わせしたり、イベントに出てみたり、キッチンカーを作ったり。
一つのものを販売するのがどれだけ難しいか、自分でやってみて気がつくことが多い。自分のことは後回しに出来るし、やらなくても過ぎていくから、自分に甘いと全然進んでいかない。きっとお客さんもみんなそうなんだろうなと感じている。
自分のために何かをやる事は、誰かのためにやるよりも難しい。この数年だけでもたくさんの失敗があるけど、それでも失敗は成功のプロセスだったと言えるように前に進んでいる。
期限を決めて、スケジュールを立てて、淡々と実行していく。誰も褒めてくれず、ふと地味なことに没頭していると本当に良いのかという迷いも出てくる。でもその先の景色がちゃんと見えているから、確実に前に進む。ひとまず、1年後には移住までたどり着けるかが勝負。頑張ってたどり着こう。
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